マメとニンジン

ロードバイクと僕

七葛チャレンジ!!!!~限界の先へ~後編

前回の続きです。


いよいよ最終回です。




五葛目が終わり、体感残HP

18
になってしまった僕。

もうクタクタですが、次のルートである粉河へ向かったのでした……

六葛目!!!!粉河ルート!!!!

粉河ルートのスタート地点へ向かいます。

頂上ゴール~ハイランドパークまでの間に咲いている、この花がとても綺麗で通る度に癒されます。
名前は知らないけれど。※この道只今6回目。



ハイランドパークでボトルを満たし、下ります。



下りますが……

まぁ~本当に長い。



もう、ヤメテぇ~!!!!!!!!

と、叫びたくなる程の長さ。



下りであんだけ長かったのだから、登りはどうなってしまうのか……



pm3:39

粉河ルートスタート!!!!
距離 11km
獲得標高 750m
平均勾配 7%
最大勾配 15%
峠ランク A



登り始める前に商店があるので、何かしら食べ物を調達出来そうです。
何か買っておけばヨカッタと心底思います。


最初は民家の間を登って行きます。



民家が無くなり、ヘアピンカープを越えると本格的に粉河ルートって雰囲気になってきました。





ここからは、
ほとんど景色が変わりません。





残り18のHPがジリジリと減って行く中…

ゴジラを発見。


ゴジラ過ぎてスルー出来ませんでした。
因みに僕はガメラ派ですが。




ここで、問題が発生します。



右膝に痛みが…!!!!



一本目の蕎原で発生した、左膝の違和感はとっくに消え去ったのですが、六葛目にして右膝にダメージが来てしまいました。


膝の痛みを経験した方なら、解ると思うのですが、痛みが深刻になってきた場合……

続行は不可。


気合いで乗り切れる事案じゃないんです…




ネガティブな思考が頭の中をぐるぐると回り、なるべく右膝にダメージを与えない様、右膝を右手で押しながらペダルを回したりしていると…





「右膝痛いんですか?」



と、たかお君。



そして、


「右膝キテるかもやわ…これ悪化したら最後7葛目は無理かもしれん…」

と、弱気になってしまった僕が呟きます。








……









暫く沈黙した後、彼は僕にこう言いました。





「僕は全然いいですけど、そうなったら4人に嘘をついてしまう事になりますねぇ…」


「橋本さんと、ハイランドパークのお二人と、僕と…」




「あっ、あと自分と。」



「5人ですね。」







……






ありがとうたかお君。

めっちゃ火ついたわ!!!!




ホンマやな。
「七葛しますわ」って言ったもんな!!!!

たかお君のカッコ良すぎる言葉が胸に突き刺さり、アカンかった時の保険発言をする自分のダサさに気が付きました。



当たって砕ける覚悟を決めます。



ただ、そんなたかお君も相当キツそうな表情をしています。



もう、話す元気も無くなり、口から

「プルゥルル~プルゥルル~シュ~」
という謎の異音を放ちながら二人で登って行きます。




すると、再びアイツがやってきました。

です。



しかも、神通ルートの時とは違い本降り。




しかし!!!!
たかお君が灯してくれた、僕の心の火は激しく燃えている!!!!

こんな雨で消せやしないぜぃ!!!!



止まない雨も、終わらない登りも無ぇ!!!!





しか~し!!!!



さらに追い討ちをかけるかの様に問題が発生。




自転車からの凄まじい異音。



ダンシングをすると、尋常じゃないほどのパキパキ音が鳴り響きます。



原因を探ってみるとどうやら、フォーク?ヘッドセット?から鳴っている様です。

パキパキ音を鳴らしまくるのは、自転車を痛めてしまう可能性があるので、ダンシングはもう封印する事に。




随分登って来ましたが、まだまだ続きます。


一向に止まない雨が容赦なく僕達の体温を奪っていく中、寒さに凍えるたかお君が言います…




ぁあ、なんか眠たくなってきました…






凍死?!


雪山のワンシーンで良く見るヤツか?!

限界を越えた身体が、なんとか体力を回復しようとしているのか?!



とにかく、たかお君が眠ってしまわないように少し話をしながら登って行くと、やっとこさハイランドパークが見えました!!!!



数時間前に食べたカレーのエネルギーも完全に底を尽き、気が付くとお腹がペコペコになっていた僕達は、ハイランドパークに希望を託しますが……



閉店


希望を絶たれた僕達。


たかお君が申し訳なさそうな表情で言います。


「すいません…一分止まってもいいですか?」

ハイランドパーク前で停車し、なんとか体力を回復しようとするたかお君。

こんなにズタボロのたかお君を見るのは初めてです。

そんな厳しい状況の中、泣き言は一切言わず
弱音を吐く僕に渇を入れた彼の精神力の高さに驚かされます。


ホンマ君はカッコエエ奴や。


再スタートです。


6回通ったこの道を通るのも、これで最後。


愛着すら沸いたこの道を

噛み締めて進みます。



もう、パキパキ音など全く気にならなくなっていていました。


「今日でこの自転車を乗り潰す事になってしまっても構わない!!!!絶対にゴールしたい!!!!」


そんな強い気持ちが芽生え、パキパキ音全開でダンシングして行きます。


パァキパキクライムゥ!!!!!!!!



そして、ようやく……

pm5:00

粉河ルート!!!!ゴール!!!!!!!!

※タイトルのこの画像は実は6葛目だったのです。

体感残HP
1


もう、体力は限りなくゼロ。


途方に暮れていると…
たかお君が、ニコニコ顔でこう言います。



「実はパワーバーが一本残ってたんですよ。」




そして、パワーバーに噛りつくと、僕に言いました。


「半分食べますか?要らんかったら僕食べます。」









「お前はどんだけエエヤツやねん…」

咄嗟に、そんな言葉が口からこぼれていました。
いや、涙も一緒にこぼれるかと思ったよ。



ホンマありがとう!!!!

この半分こした、半額のパワーバーの味は今でも覚えていて、きっと死ぬまで忘れないと思います。



たかお君の優しさ&パワーバーで体力が回復!!!!
ラスト一本へと向かうのでした。



ラストは……三本目で登った

塔原


通行止の牛滝と一番近いスペックなので、これで行きます。
※というか、これしか無理だわ…


ラスト!!!!七葛目!!!!塔原!!!!

ラストの塔原を下ります。


なんとか雨は上がりましたが、路面はウェットなので注意して下ります。

下る途中なんとか希望の光を設置すべく、

「車へ帰ったらマクドナルドへ行こう!!!!ほんで、アホほど食べようぜ!!!!」


と約束を交わします。


スタート地点到着。


いやぁ~寒い!!!!


雨でビショビショになった後、下りで急激に冷やされた身体はもうガクガクです。



たかお君はまだ眠気が凄いらしく、下りの最中に二回ほど意識が飛びそうになったらしいです。


危険すぎる



自販機でホットがあることを願いますが…そりゃまぁ~無いですわ。6月ですもの…


とりあえず、腹ペコなので一番糖分を摂れそうなヤツ(カフェオレ?)をグッと飲み干します。



ラスボスに挑む覚悟を決めます。


そして、pm5:31

ラスト七葛目!!!!塔原スタート!!!!

もう、淡々とペダルを回す事だけに集中します。


無限の森へ入ります。


この森の長さは知っているので、心を無にして進んでいきます。





体力は0。


「切れたと思った電池を一回外して、また付けたらまだ使えた!!」
という経験、皆さんもあると思うのですが…



今それです。




そして、めちゃめちゃ集中力が高まり、頭の中の雑念がだんだん消えていき、オートマティックに足が回転します。


これが…

無の境地というヤツなのか?


僕と、山と、自転車。
それ以外は何も存在しない。
真実だけが存在する世界。

なんと、僕はこの窮地で…
ヒルクライムを楽しんでいました。




どれぐらいこの状態が続いたのか…




ふと気が付くと…


たかお君が居ない。


我に返った僕。
ペースをぐっと落とすと、後ろにたかお君が現れました!!!!



たかお君は僕に追い付くと、こう言います。


「あぁ…眠たいっす……さっき気付いたらガードレールにコンって当たってました…」















寝てるやん。




まさかのヒルクライム中に睡眠?!


いや、ホントに爆笑しました。
お陰でめっちゃ元気が出ましたよ。


睡魔と戦う彼を現実世界に引き止めるべく、またお喋りしながら登ります。




牛滝ルートとの合流地点へ到達!!!!

「もうちょっとやぞ~!!!!」
と、歓喜する僕達。








ゴールはあと少し。





そして、遂に…
pm6:34

七葛達成!!!!!!!!

ズタボロになりながらも、なんとか達成する事が出来ました。

崩れるたかお君。

ゴールした瞬間拳を突き上げ

「っしゃぁぁあ!!!!」

ってなるんかな?と思っていましたが、そんな元気は皆無で、めちゃめちゃ静かで
スンッ…
というゴールでした。





記帳!!!!


記念撮影


立ち尽くす僕

いい脱力感ですね。




帰りま~す!!!!



帰宅!!!!

少しずつ日が暮れてきていたので、早足で帰ります。

先程登ってきた塔原を下ります。
弱りきった身体に容赦なくダメージを与えてくる地面の振動。
下りがシンドイと感じたのは初めてだよ。。。



無事に塔原ルートを突破し、一般道を走ります。

めっちゃ暗くなってきました……



pm7:26

駐車場到着

重たい身体でなんとか自転車を片付け、約束のマクドナルドへ向かいます。

ドライブスルーへピットイン!!

僕はセット+ナゲット+バーガーをオーダー。

一方たかお君は……

バーガー7個




オーダーのクセ。



「サイコンマウント代まだ足りてないんで!!!!」
と、またまた、たかお君がご馳走してくれました。


そして、阪神高速4号湾岸線を走りなが、、キラキラ光る照明を眺め、静かに会話をし、ハンバーガーを食べてるこの感じが、まるで映画のエンドロールの様でした。


帰宅!!!!


七葛の記録&感想

今回のライドの記録です。



獲得標高
4975m

こんなに登ったのは初めてです。
そして、久しぶりにヘロッヘロになりました。
初めてフルビワイチした時の気持ちを思い出す事が出来ましたよ。

いや、キツかった……


ただ、和泉葛城山は本当に最高でした。
出会う人が全員暖かくて、山全体がいいオーラに包まれている様な感じでした。


最後は限界を突破。
無の境地?ゾーン?なんと言っていいかわからない状態を経験し、今までの自分を越えて行くのがハッキリとわかりました。


七葛を終えた瞬間は「もう今年は葛城山登りたくない!!!!」と思っていたのですが、日が経つにつれ葛城山への想いが膨らんでいき、今では「あ~葛城山いきてぇ」と思っている自分がいます。

岸和田ツーリングクラブのサイトにも、「七葛おめでとう!」の所に僕とたかお君の名前が刻まれていてめちゃ嬉しかったです。

↓岸和田ツーリングクラブ↓

岸和田ツーリングクラブ


来年の4月(2022)に牛滝が開通予定らしいので、またちゃんとした七葛をやりに行こうと決意しました。




反省点は、補給食が圧倒的に足りていなかった事ですね……たかお君に迷惑をかけてしまいました…

次チャレンジする時は、補給食を大量に仕入れ、山頂の駐車場に車を停めるのがベストだなと考えています。




最後に、なによりも僕が一番伝えたい事。
それは、一緒に走ってくれた

たかお君ありがとう。
という事です。


彼が居なかったら、ゴールは出来なかったと思います。


ペチャンコのおにぎり。
ウィダー的なゼリー。
なんかエエ水。
カレーライス。
マクドナルド。
半額のパワーバー。
厳しい局面での笑い。
弱音を吐いてしまった時のアツい情熱。



ホントに沢山のモノを貰いました。



ありがとう!!!!マイフレンド!!!!



おまけ

後日たかお君から「サイコンマウントつきました!!!!エレガント!!!!」というメッセージと共に画像が送られて来ました。


「なんか無理やりゴムで付いてない??笑」

と返答すると、

「これはちゃんとしたゴムなので外れる事はありません!!」
という回答が。。




ん~
そーゆう事を聞いたんじゃないんだよ。笑

まぁちゃんと使えてるならエエけども!!!!笑




ホンマ君には、かなわね~わ。





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七葛から数日後…
自転車の異音の原因を探るべく、フォークをバラした僕は、絶望したのでした……

次回

七葛の代償…フォーク逝く。




この七葛チャレンジの一年後……八葛にチャレンジしました。

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