僕vsBBの異音!!最終章~もう僕、本気出すわ~
全国の自転車を愛する皆さま。
快適な自転車ライフを送られていますでしょうか??
僕の自転車は………今日も元気良く
アカンやん
僕はこれまで様々な異音と戦って来ました。
その中でも一番僕を悩ませたのがこの"BBの異音"。
思考錯誤し、ついに封じ込めたと思われていた"BBの異音"でしたが、忘れた頃に再びやってきたのです。
静寂を我が手に!!!!
記します。
今までの経緯
先日、2年ほど使ったBBのゴリ感に気が付いたので、新品に交換したのです。
新しく装着したトーケンのニンジャBBはフレームに接する部分がラバーっぽい素材になっていて、フレームに優しい&異音が出にくいんじゃないか??
と期待していました。
今までBBの異音と戦う中で、"配管用のシールテープを巻き付けて装着する"というトリッキーな方法に辿り着いたのですが、ニンジャBBはラバーが付いているので、シールテープ無しで装着し、様子をみる事にしました。
トーケンニンジャBBの回↓
シールテープの回↓
平地を走っている分には何の問題もありませんでした……
ヒルクライムの際、「チッ!!!!」っという異音が発生。。
やはり、シールテープを巻かないとダメなのか……!?
ニンジャBBを取り外し、シールテープを巻き付け、再びフレームへ装着。
そして、僕は山へ行きました…
アレか。
ラバー×シールテープは柔らかすぎて変形しやすい為、踏み込んだ時、余計に隙間が出来てしまうのか?
一旦元に戻してみよう。
こーゆー時は一旦スタートに戻って考えてみるのが一番なんだ。
ニンジャBBの前に装着していた"GUB"というBBにシールを巻き付け、フレームに装着!!
僕は再び山へ行きます…
スタートに戻っても鳴るやん!!!!
シールテープでカバー出来ない程穴が広がってしまったのか?
シールテープの巻き具合が悪かったのか?!
原因は不明ですが、なにか他に方法は無いかと探した結果……こんなモノを発見!!!!
こんなペラペラのアルミテープが1800円!?(今見たら2300円になってました)
5秒ぐらい悩みましたが、購入!!!!
このアルミテープをニンジャBBに丁寧に巻き付け、フレームへイン!!!!
入った!!!!
けど!!!!
失敗した!!!!
1800円がゴミになった瞬間でした。
今までのやり方ではダメだ。
もっと抜本的な。
ガチガチで完璧な方法を考えるんだ。
もう僕、本気出すわ。
本気出して考えてみる
BBの音鳴りの原因は、ズバリ隙間!!!!
BBを挿入する穴が、長年のダメージで少し大きくなっているのが原因。
つまり。
ギュッっと入ってない事が原因なのです。
シールテープ無しでは、普通に手でスッと入ってしまう程ガバガバなのです。
どうすれば、ギュッっと詰め込めるのかを考えます。
僕のフレームのBBは、
穴径Φ46×長さ86.5mmです。
僕はBBの規格表を眺めながら考えました……すると…BBの神が僕の頭に降臨…
に変換したらエエねん!!
説明しましょう。
先ほども書きましたが、
ですが、
PF86はΦ41×86.5mm
PF86も長さは同じ86.5mmですが、穴径は5mm小さいΦ41。
つまり、外径Φ46×内径Φ41(肉厚2.5mm)のスリーブ(筒状のシム)を制作し、フレームの穴(Φ46)に圧入すれば、PF86も装着可能となるのです!!!!
フレーム側のΦ46にギュッと入り、PF86のΦ41もギュッと入る感じの…
名付けて
を作れば良いんだよ!!!!!!!!!!!!
そう思ったアナタに、ドヤ顔でこう答えましょう。
"ギュッとスリーブ"を設計する
まずはフレームのBBの穴のサイズを正確に測る必要があります。
"マイクロメーター"という0.01mm単位で計測出来る代物を使い、縦、横、斜め右、斜め左の4か所を測ります。
こんなやつ↓
計測した結果……
R(ドライブトレイン側)
45.98mm
46mm
45.98mm
45.99mm
平均値=45.98mm
L
45.96mm
45.995mm
45.99mm
45.95mm
平均値=45.97mm
そして次に、PF86のBBを購入します。
コイツを購入しました。
開封!!!!
・BB本体
・スペーサー
・説明書
・取り付け工具
が入ってました。
先日購入した、トーケンのニンジャBBと良く似た作りで、これも取り付け部がラバーな感じになっています。
そして、取り付け工具が付属されているのは本当に有難い。
TOKENって書いたあるやん。
まさかのトーケンの取り付け工具が同封されておりました…
と言うことは…このBBはきっと…
OEM的なアレか…
このPF86の取り付け部の寸法も正確に測ります。
R=Φ40.96
L=Φ40.93
左右で、0.03mmの差がありました。
ラバーが付いているので、そんなにシビアな精度が必要じゃないのかもしれませんね。
この今まで集めた数値たちを元に色々考え"ギュッとスリーブ"の図面を制作。
"ギュッとスリーブ"の図面!!!!
"ギュッとスリーブ"を制作
職場の特権を生かし、制作して行きます。
材料はコイツ。
↓詳しくは↓
CADDi MANUFACTURING|キャディ株式会社
僕たちは17sと呼びますが、まぁちょっと強いアルミと思って頂けたらOKです。
因みに、自作したサイコンマウントもこの17sを使いました↓
この17sをマシニングセンタという工作機械を使い削って行きます。
プログラムはこんな感じ。
加工時間は3:50
こんな形状に削ります。
図面の寸法通りにキメます。
先にR用を作ったので、材料の丸棒の反対側に数値を少し変えL用を作ります。
こんな感じになります。
後は、汎用旋盤という機械で左右をカットします。
切りっぱなしは少し汚いので、仕上げに一皮削ると出来上がり。
ギュッとスリーブ!!!!
試しにPF86へ軽く装着。
もう少しキツ目を想定していましたが、フレームへ圧入すると内径も少し小さくなるハズなので、ギュッとなるハズ!!!!
とりあえず、これでやってみよう!!!!
合体
では、いよいよ合体の時です。
まずは、このBBの穴に"ギュッとスリーブ"を挿入します。シマノのグリスを塗ります。
こんな具合にBBの圧入工具を使い、挿入します。
斜めに入らないように気をつけながら…
めでたく僕の自転車はBB386→PF86へジョブチェンジを果たしました。
ツバの部分の厚みが0.8mmぐらいあるので、Qファクターがその分広がりましたが、そんなんはどうでもいいんです。
後はPF86を入れます。
想定よりも軽めで入ってしまいましたが、とりあえずこれで試走してみる事に。
大丈夫!!!!
もし、パキッってたら、もうちょい寸法攻めたバージョンの
を作ればいいんだ!!!!
結果発表
僕は期待と不安を胸に十三峠へ向かいました。
フロントをインナーへ落とし坂を登って行きます。
ウソやん?
信じられないですが、間違いなく「チッ」っと聞こえたのです。
やれる事はやった。
"もっとギュッとスリーブ"を作ろうか…??
いや!!今回はかなり自信があった!!!!
異音は完全にBB付近から聞こえる……
しかし…BBじゃない可能性もある。
登頂するまでの間……色々検証してみよう。
僕が装着しているスプロケットは12-30tという魔改造スプロケットなのですが…
一番ロー側の三枚セット(24.27.30)に入れた時だけ「チッ」っと鳴るのです。
BBが原因なら、どのギアに入ってようと、鳴るハズなんです…
後日。
スプロケをバラし、クリーニングした後、前に使っていた14-30t のロー側三枚セット(24.27.30)を組み込み、再び十三峠へ。
言いたい事はたくさんありますが…
とりあえず僕は、静寂を手に入れたのでした。
真実
まさかの、BBじゃなくてスプロケだったというオチでした。
"ギュッとスリーブ"は無駄だったのか?
そんな考えが脳裏に浮かんできますが…
僕はこの"ギュッとスリーブ"を作って良かったと思っています。
今までのシールテープを巻き付ける方法は"その場しのぎ感"があったし、何となく「邪道だな」と思ってたのです。
この"ギュッとスリーブ"を制作した事により、「BBの異音」に対する不安が無くなりました。
もし、また鳴ろうモノなら
を作れば良いんですもの。
そして、何より色々考えながら作っている時が本当に楽しくて、そんな経験こそがプライスレスなのですよ。
この"ギュッとスリーブ"を装着した5日後。
一日で和泉葛城山を5000m以上登る"八葛"にチャレンジしたのですが、一度も異音が発生する事は無かったです。
この世から圧入式BBが無くなる事を祈ります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!!!!
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次回、八葛の記事書きます!!!!
書けました↓